五大元素(パンチャ・マハブータ)
キュレーター:Bruce W. Carpenter & James Bennett
バリの伝統では、すべての存在は五つの元素から成り立っているとされています。そのうちの四つ――地、水、火、風――は、古代ギリシャ時代以来ヨーロッパの伝統で認識されているものと似ています。しかし、バリの人々は五番目の元素として「アカシャ」と呼ばれるものを加えています。アカシャはしばしば「エーテル」と訳されますが、「無」、「ゼロ」、あるいは「空間」といった概念にも関連づけられます。アカシャはこれら物理的な概念を超えた、別世界の起源を持つ不変で不滅の存在であり、私たちの無常の物理的領域に現れる最初の四つの元素とは対照的です。 五元素の概念は、バリの宗教、文化、芸術、哲学、儀式、そしてオカルト科学のあらゆる側面に浸透しています。それぞれの元素は独自の領域を司り、小宇宙(ブワナ・アリット:人間の内なる世界)と大宇宙(ブワナ・アグン:外なる世界)、そして日々の生活のサイクルに関連付けられた独自の特性を持っています。さらに、五元素は、太陽暦と太陰暦、惑星、場所、方位、そして神々(慈悲深い姿と憤怒の姿の両方)と結びついています。